国賓訪問に関するロングボトム駐日英国大使のコメント
天皇皇后両陛下による英国への国賓訪問に関して、ジュリア・ロングボトム駐日英国 大使が総括コメントを発表しました。
この度の天皇皇后両陛下の国賓訪問が成功裏に終了したことに対し、心から感謝と 安堵の気持ちを抱いております。この御訪英は、2019 年から数年にわたる準備期間 を経て実現したものであり、このような歴史的な出来事に関わることができたこと を非常に光栄に感じております。
今回の御訪英は、日英関係にとってまさに絶好のタイミングで行われました。天皇 陛下が国賓晩餐会のスピーチで述べられたように、英国と日本は「かけがえのない 友人」であり、日英関係はかつてないほど強固なものへと発展しています。我々は これまで CPTPP、GCAP、サイバーセキュリティ、デジタル、洋上風力発電、科学 技術など、さまざまな重要分野において新たなパートナーシップを築いてきまし た。特に、昨年の広島アコードの合意は、これらの協力関係をさらに促進させる追 い風となりました。
また、両国民の心温まる人と人の絆を目の当たりにすることができました。これ は、国王陛下と天皇陛下が生物多様性と環境保全に共通の関心を抱いていることが 示すように、王室と皇室の親密さも含まれています。国際的な金融およびビジネス サービスの先駆的なエコシステムであり、革新的な研究機関や学術機関も包括する シティ・オブ・ロンドンが主催した晩餐会には、両国のビジネス界を代表するゲス トの方々がご出席されました。晩餐会は、両国の市場間や自治体間の連携を通じ た、歴史に根付く日英協力の深化を象徴するものでした。また、日英の科学者や研 究者たちによる遺伝学、幹細胞、細胞再生に関する先駆的な協力に関しても、今回 の公式プログラムを通じて再確認されました。
天皇皇后両陛下が、日英パートナーシップの次世代を担う子供たちと笑顔で交流さ れるお姿や、両国の芸術や文化が世代や国を超えて相互に影響し続けている様子を ご覧になるお姿を拝見し、大変感慨深いものでした。
今回の御訪英により、日英関係が未来に向かって進んでいることを世界に発信する ことができました。また、将来のパンデミックの危機に備えて、ウイルスの変異株 を追跡しワクチンを開発するなど、新たな治療法を模索しながら、持続可能な社会 を築き、地球をより平和で安全な場所にするために両国で協力していくことが改め て強調されました。命を救うための世界との協力をテーマとする 2025 年の万博へ の英国の貢献や、来年の空母打撃群の訪問、そしてその先まで、私たちは共に歴史 の新たなページを刻んでいきます。教育やその他の交流を通じて、人と人との絆も ますます深まることを願います。
私たちは、今まさに日英関係の新時代を迎えています。次の 400 年の物語を、日本 の皆さんと共に紡いでいくために、これまで以上に強固な信頼関係と未来志向のパ ートナーシップを築いてまいります。