EU条約第50条発動に関する首相の下院演説の抜粋
テリーザ・メイ首相は、欧州理事会議長に英国の欧州連合(EU)離脱意志を通告した書簡について、下院で演説を行いました。
私は英国を真にグローバルな国にしたい、欧州のパートナー諸国にとって最良の友人・隣人でありながら欧州域外の国々の関係も強くしたいと願っています。世界に活動の場を広げ、昔からの友好国とも新たな同盟国とも同じように関係を築ける国でありたいと望んでいるのです。
こうしたパートナーシップを生み出すべく、誠心誠意協力するとの精神の下で建設的に取り組みを進めていくことは、これまでも明確にしてきました。
目指すのは円滑で秩序あるEU離脱の実現です。これは、第50条に基づく2年間の手続き期間が終了するまでに今後のパートナーシップについて合意に達すること、続いて段階的な実施過程へと移り、英国とEU機関・加盟国との間で結ばれる新たな取り決めを策定することを意味しています。
世界貿易の成長が鈍化し、多くの国で保護主義的感情が高まる兆しが見られる今、欧州はあらゆる市民のために自由貿易を守るという責任を担っています。
英国が下したEU離脱という選択は、欧州の一員として共有する価値観までをも否定するものではありません。
英国は欧州の一国として、こうした価値観を推進し守るという自身の役割を、離脱交渉中も交渉終了後も変わらずに果たし続けます。
英国は今後とも信頼できるパートナーかつ意欲的な同盟国であり、親しい友人でもあり続けます。世界が不安定さを増す中で国民の安全を守るためには、可能な限り緊密な安全保障協力を増進していかなければなりません。世界各国はテロや過激派という共通の世界規模の脅威に直面しています。このことは、3月22日にウエストミンスター橋とここ国会議事堂で起きた卑劣なテロ行為によって、さらに浮き彫りにされたばかりです。
したがって、英国とEUが深く特別で互恵的な新パートナーシップに合意することを阻む理由はないものと信じています。